ライブに行こうと思うときアルバムが素晴らしくてどうしても現実に聞いてみたい時と、とにかくライブの一挙手一答足を見たい時がある。
今回の場合は後者というほかはなかった。
彼女の関係するアルバムは5枚ほど持ってはいるがいつも引っ張り出して聴いているというほどではない。
年に一回ほど1枚のアルバムを聴いてみたくなる程度。
だからいちはやく新着アルバムを聴きたいというほどではない感じだった。
現実私はここのところの新譜は買っていなかった。
でも来日の噂が出てき始めた頃からかなり気になっていた。
そしてここ岡山で聴くことができると判ってからはもうどうしても聴いておかなければならない雰囲気になっていたのだ。
そして日にちが近づき予習のための音源を聴いていくうちにその絶対観は確信に変わってゆく。
多分、岡山のアルゼンチン音楽の幕開けを告げたあの伝説のライブ「アウグスティン・ペレイナ・ルセイナ@城下公会堂」に並ぶようなものになるのではないかと・・・・・
相変わらず気が急く私は開場15分前の到着。もちろん1番乗り。
10人ほど行列が出来たところでの入場。
真横から手元と横顔が見える最前列をゲット!!
順次入場の方々の中にフェリーペ氏発見。
このところ毎回会う彼とはDISK TRANSの頃の当該ミュージシャンの初入荷の話をするのが慣例となりつつある。
彼は1'st入荷時からかなり注目していたらしいがその当時私には推薦がなかったことを告げると「今でこそこの感じはわかってもらえるけど、あの頃ではかなり妖しい感じがして勧めにくかった」とのこと。
でも彼が推薦していたら多分買っていたけどね。(笑)
私はといえば、リリアン・サバとのデュオを発売時に購入したのと、アルゼンチン物を本格的に追い始めた時期に避けては通れない感じを抱いていて、再発のアルバムをが一挙入荷してきたとき師匠のタニィさんにお聞きして1’stと2'ndを購入。
その時に聴いた革新性に驚いたものでした。
ほとんどの席が埋まりワクワクしているところに会場暗転し割れんばかりの拍手に導かれて入場する彼女。
写真で見るちょっと強面の感じから、かなり大きな人を連想していましたがさにあらず。
小柄な姿が印象的。
とにかく笑顔がすごくキュート。
手なんかかなり小さい。
しかしこれがピアノを奏で始めると一変!!
彼女の特徴的な複雑な曲をものすごい勢いで縦横無尽に引き始める。
それに伴う歌にスキャット。
とにかく圧倒的なスピード感だけれどもそれを軽々と感じさせてしまう。
なにか蝶々がひらひらと舞い踊るように・・・そして誰にも捕まらないように・・・・
一つの曲を比較的短めに聴かせてくれたのは結構いい感じでした。
曲は今月末にリリースされた新しいアルバムからが多かったけれども、旧譜からは印象的な曲を配置してこれもなかなかいい感じ。
そして最後には1'stからの有名曲を3曲!!この圧倒的なエネルギーそして美しさとパフォーマンスにもう空いた口がふさがらない。
鳴り止まぬ拍手にアンコール。
ウーゴ・ファットルーソの曲を含む4曲のアンコールの大サービスに本当に頬が緩みっぱなしでした。
当然帰り際に今回のライブの雰囲気に1番近いと招聘のNRTの成田さんが推薦してくれたアルバムにサインをいただく。
握手したその手はやはり小さくて本当に華奢だった。
あのピアノの音を奏でていたのは本当にあの手だったのだろうかと・・・・・
あれはやはり音楽の妖精そのもの、キュートなおばさんの皮はかぶっていたけど・・・・(笑)
そして開演前に感じていたことは確信に変わっていた。
これは岡山の音楽シーンに燦然と残るエポックメーキングな事件なんだと。